
「キャリコン 流れ」というキーワードで検索されている方は、キャリアコンサルティングに興味をお持ちのことと思います。
このキーワードには、キャリアコンサルティングの「面談の流れ」と、国家資格であるキャリアコンサルタントの「資格取得までの流れ」の二つの側面があります。
この記事では、それぞれの「流れ」について、初心者の方にも分かりやすく、専門的な内容も交えながら詳しく解説します。
キャリアコンサルティングとは、働く個人がキャリアの「選択」「設計」「開発・向上」を行う際に、専門家であるキャリアコンサルタントが相談に応じ、必要な情報提供や助言、指導を行うことです。
これは単に仕事を紹介するだけでなく、相談者自身が自分の強みや価値観を理解し、主体的にキャリアを築いていくための支援です。
一般的なキャリアコンサルティングの面談は、いくつかの段階を経て進められます。
ここでは、厚生労働省などが示す標準的なプロセスに基づいた流れをご紹介します。
キャリアコンサルティングを受けることを決めたら、まずは信頼できるキャリアコンサルタントや相談機関を探します。
ハローワークや地域若者サポートステーションなどの公的機関、大学のキャリアセンター、民間のキャリアコンサルティング会社など、様々な場所で相談が可能です。
多くの場合、事前に予約が必要となります。
相談にあたっては、これまでの職務経歴や学習歴、取得資格などを整理しておくと、面談がスムーズに進みます。
自身の悩みや相談したいことを具体的にしておくと、より有益な時間にできます。
初回面談では、まずキャリアコンサルタントからキャリアコンサルティングの目的や進め方、守秘義務(相談内容が外部に漏らされないこと)などについて説明があります。
これにより、相談者は安心して話ができる環境であることを理解します。
次に、キャリアコンサルタントは相談者の状況を把握するための「アセスメント」を行います。
アセスメントとは、相談者の仕事の経験、スキル、興味、価値観、性格、能力など、キャリアに関する様々な情報を収集・分析することです。
質問や対話を通じて行われる他、場合によっては適性検査や職業興味検査といったツールを用いることもあります。
このアセスメントを通じて、相談者自身も気づいていなかった強みや志向性が明らかになることもあります。
例えるなら、自分の現在地を正確に知るための「地図作り」のようなものです。
アセスメントで得られた情報をもとに、キャリアコンサルタントは相談者がより深く自己を理解できるよう支援します。
過去の経験の棚卸し(キャリアの振り返り)や、自分の強み・弱み、価値観などを様々な角度から見つめ直すワークなどが行われます。
同時に、世の中にはどのような仕事があり、それぞれの仕事にはどのような内容やスキルが求められるのかといった「仕事理解」も深めていきます。
求人情報や業界研究の支援、場合によっては職場見学やOB/OG訪問を勧められることもあります。
自己理解と仕事理解は、キャリアを選択する上で車の両輪のように重要です。
自己理解と仕事理解が深まったら、それらを統合して具体的なキャリアの目標を設定し、そこにたどり着くまでの道筋を考えます。
これが「キャリアプランニング」です。
目標は一つとは限らず、複数の選択肢を検討し、それぞれのメリット・デメリットを考慮しながら決定していきます。
キャリアコンサルタントは、相談者が現実的で実行可能なプランを立てられるよう、情報提供や専門的な視点からの助言を行います。
この段階では、具体的な行動計画、例えば「〇〇の資格を取得する」「△△の企業説明会に参加する」などが立てられます。
立てたキャリアプランを実行に移す段階です。
キャリアコンサルタントは、計画通りに進んでいるかを確認し、必要に応じて励ましやアドバイスを行います。
応募書類の添削や面接対策など、具体的な就職・転職活動のサポートも含まれます。
また、計画通りに進まない場合や、新たな悩みが出てきた場合には、再度面談を通じて状況を整理し、プランを見直すこともあります。
一連のプロセスを通じて、相談者自身がキャリアを自律的に形成していく力を高めていくことが、キャリアコンサルティングの重要な目的です。
面談の最後に、セッション全体を振り返り、気づきや学びを整理することもあります。
キャリアコンサルタントとして働くためには、国家資格を取得する必要があります。
国家資格キャリアコンサルタントは、2016年に国家資格となりました。
資格取得までには、主に以下のステップがあります。
国家資格キャリアコンサルタント試験の受験資格を得る方法はいくつかありますが、これからキャリアコンサルタントを目指す多くの方が選択するのが、「厚生労働大臣が認定する養成講習の課程を修了する」ルートです。
厚生労働大臣が認定する養成講習は、キャリアコンサルタントとして必要な知識やスキルを体系的に学ぶためのものです。
多くの場合、学科(理論)と実技(面談演習など)の両方を学びます。
講習期間は実施機関によって異なりますが、概ね数ヶ月かかることが多いです。
この養成講習を修了することで、国家試験の受験資格が得られます。
養成講習を修了する以外にも、労働者の職業の選択、職業生活設計または職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関して3年以上の実務経験を有する方も受験資格が得られます。
受験資格を得たら、国家試験を受験します。
国家試験は、学科試験と実技試験(論述試験と面接試験)の両方に合格する必要があります。
試験は年に複数回実施されており、特定の登録試験機関(日本キャリア開発協会(JCDA)またはキャリアコンサルティング協議会(CCC))が実施しています。
学科試験はマークシート方式で、キャリアコンサルティングに関する幅広い知識が問われます。
キャリアに関する理論、カウンセリングの知識、労働市場や職業能力開発に関する制度など、多岐にわたる分野からの出題があります。
実技試験は、キャリアコンサルタントとしての実践的なスキルを評価するものです。
論述試験では、事例を読んでキャリアコンサルタントとしての考えや対応を記述します。
面接試験では、実際に相談者役とのロールプレイを行い、その後の口頭試問で自身の面談を振り返り、質問に答えます。
この面接試験が、多くの受験者にとって大きな壁となることが多いです。
学科試験と実技試験の両方に合格したら、それだけでは「キャリアコンサルタント」と名乗ることはできません。
厚生労働省が管理するキャリアコンサルタント名簿への登録が必要です。
登録申請書類を提出し、登録免許税(収入印紙)と登録手数料を納付することで、名簿に登録されます。
登録が完了すると、キャリアコンサルタント登録証が交付され、晴れて「キャリアコンサルタント」として活動できるようになります。
この登録には有効期間があり、定期的な更新研修の受講が必要です。
「キャリコン 流れ」という言葉は、キャリアコンサルティングの「面談のプロセス」と、キャリアコンサルタントという「資格を取得するまでの道のり」の両方を指し得ることがお分かりいただけたかと思います。
キャリアコンサルティングの面談は、準備から始まり、アセスメント、自己理解・仕事理解の促進、キャリアプランニング、実行支援、振り返りという段階を経て進められます。
これにより、相談者は自身のキャリアについて深く考え、主体的な意思決定ができるようになります。
一方、国家資格キャリアコンサルタントになるためには、養成講習修了または実務経験により受験資格を得た上で、国家試験(学科・実技)に合格し、キャリアコンサルタント名簿への登録が必要です。
どちらの「流れ」に興味を持たれた方も、この記事を通じて、キャリアコンサルティングの世界への理解を深めていただけたなら幸いです。
もし、あなたがキャリアのことで悩んでいるなら、キャリアコンサルティングを受けてみることをお勧めします。
また、誰かのキャリア支援をしたいという思いがあるなら、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。